エビングハウスの「節約率」で説明できる「一番効率的な復習法」!復習はいつするのが一番効率的なのか⑨

前回は、エビングハウスの記憶実験から導き出された受験生向けの「一番効率的な復習法」の具体的なやり方について説明しましたが、

今回は、なぜこのやり方が「一番効率的」な復習法と言えるのかについて、

エビングハウスの法則に基づいて、できるだけ分かりやすく説明してみたいと思います。

なぜ学習内容の一回目の復習は「学習中」「授業中」にするべきなのか?

学習を毎日続けている受験生のための「一番効率的な復習法」では、一回目の復習「学習中」に、学校でなら「授業中」にするんでしたよね。

理由は、はっきりしています。「エビングハウスの記憶実験」の結果がそう教えているからです。

エビングハウスの第一の法則は何でしたっけ?

そうですね。学習を終えた直後から急激なスピードで節約率が減少するでしたね。

その「節約率」の数値を覚えていますか?

なんと「学習終了後2058.2でしたよね。これって凄くないですか?

20分前に学習したことを覚え直すのに、20×58.2%≒11.64、つまり約11.6分節約できるということですから、逆の言い方をすれば、復習して完全に覚え直すのに8.4分もかかる、ということですよね。

たった20分前に学習したばかりの内容なのに覚え直すのに8.4分もかかるんです。つまり、学習するそばから物凄い勢いで忘却が進んでいるということです。

でも、心配するには及びません。復習するのに実際にはそんなに時間はかからないからです。あくまでもエビングハウスの記憶実験の数値は「無意味な音節」の記憶を復習する場合のことです。

普通の勉強では「意味のある学習内容」を理解し記憶するのですから、今しがた理解したばかりの意味のある学習内容を復習するのには、ほとんど時間がかかりません。

それは「覚え直す」というよりは「確認する」と言った方がいいくらいの簡単な作業ですから、驚くほど短時間で終わらせることができます。

「学習中」なら、教科書や参考書のページをめくるごとに、あるいは一つの章や節が終わるたびに、それまで学習したことを復習(確認)すればいいのです。

「授業中」の場合は、先生が雑談をし始めた時や、生徒の誰かを指名して質問をしている時や、寝ているあるいは内職している生徒を見つけて注意をしている時に復習してしまえばいいのです。

だったら、「学習中」に、「授業中」に、復習することは十分に可能ですよね。

学習内容の一回目の復習を授業が終わってからするのでは遅すぎます!

学校や塾での授業時間は40分から50分というのが普通です。ということを考えると、一回目の復習をするのを「授業が終わるまで待っていては遅い!」ということにならないでしょうか?

授業が終わった時点で、授業の初めの時間帯に学習した内容はもうすでに40分くらいは経過していますから、「節約率」はかなり減少していて、それだけ復習するのに時間がかかってしまうことになります。

それ故に、一回目の復習は「授業中」にする必要があるんです。家や図書館や自習室で学習している場合でしたら「学習が終わってから復習するのではもう遅い!」ので「学習中」に一回目の復習をする必要があるんです。

授業中や学習中に一回目の復習をする時は、できる限り小まめに何回かに分けて復習をすることをおすすめします。具体的に言うと「約10分ごとに」復習をするのです。なにも20分経過するまで待つ必要はないわけですからね。

学習した内容を何回かに分けて、復習する学習内容を少なくすればするほど、復習にかかる時間が少なくて済みます。

エビングハウスの記憶実験から導き出された第三の法則は記憶する量が多くなればなるほど記憶することが困難になる、ということでしたよね。

その法則に基づいて、「記憶する量を少なくする」=(イコール)「復習する量を少なくする」には、できるだけ小まめに、何回かに分けて復習をしましょう。

なぜ学習内容の二回目の復習は「学習を終えた直後」にするべきなのか?

次は二回目の復習です二回目の復習は「学習終了直後」にするんでしたよね。

理由はもうお分かりですね。「学習を終えた直後から急激なスピードで節約率が減少」していくので、その「節約率の減少」にストップをかけるためですね。

一旦、復習をして、学習内容の記憶状態を元通りにします。すると、「節約率の減少」のスピードがゆるやかになります。

これもエビングハウスの記憶実験で確認されたことですね。

授業中や学習中に約10分ごとに「一回目の復習」をしておけば、授業が終わってからおこなう「二回目の復習」はごく短時間で終わらせることができます。

二回目の復習は「復習」というよりも、一回目に復習したことの「再確認」ですから、それこそ「あっ!」という間に終わらせることができるでしょう。

なぜ学習内容の三回目の復習は「学習した日の寝る前」にするのか?

そして三回目の復習ですが、三回目の復習は「学習した日の寝る前」にするんでしたね。

この理由も、すでにお分かりのことと思います。エビングハウスの重要な原則の三つ目、「一番最後に示された情報は記憶に残りやすい」という「新近効果(新近性効果)があるからでしたね。

寝る前に復習したことは、その復習をした後にもう新しい情報が入ってこないわけですから、「寝る前に復習したこと」=(イコール)「一番新しい情報」ということになり、そのまま、他の情報に邪魔されることなく、睡眠中に整理され記憶されることになるのです。

もちろん、「学習した日の寝る前」に復習をする時には、すでに「学習を終えた直後」に二回目の復習をしていますから、節約率はもっと高くなっているので、ずうっと短い時間で復習を終わらせることができるはずです。

・・・

ということで、今回は受験生向けの「一番効率的な復習法」のうち、一回目から三回目までの復習のやり方が、なぜ「一番効率的」なやり方と言えるのかについて、エビングハウスの法則に基づいて、できるだけ分かりやすく説明してみました。

次回は、受験生向けの「一番効率的な復習法」の四回目から六回目までの復習のやり方が、なぜ「一番効率的」なやり方と言えるのかについて、エビングハウスの法則と、エビングハウス以後の記憶に関する研究成果を踏まえて、できるだけ分かりやすく説明してみたいと思います。

・・・

【エビングハウス10講】

① エビングハウスの忘却曲線の解説のほとんどは間違っているって本当?

② エビングハウスは記憶実験で節約率をどうやって計算したんだろう?

③ エビングハウスの記憶実験は具体的にどのようにおこなわれたのか?

④ エビングハウスはどうして無意味な音節を記憶実験の材料として使ったのだろう?

⑤ エビングハウスはどうして自分自身を記憶実験の被験者にしたんだろう?

⑥ エビングハウスの記憶実験から導き出された記憶に関する法則とは?

⑦ エビングハウスの忘却曲線から導き出された復習のベストタイミングとは?

⑧ エビングハウスの記憶実験から導き出された受験生向けの「一番効率的な復習法」とは?

⑨ エビングハウスの「節約率」で説明できる「一番効率的な復習法」!(今回の記事)

⑩ エビングハウスの記憶実験と海馬と偏桃体が織りなす記憶のメカニズム!

・・・

次回記事:エビングハウスの記憶実験と海馬と偏桃体が織りなす記憶のメカニズム!復習はいつするのが一番効率的なのか⑩

 前回記事:エビングハウスの記憶実験から導き出された受験生向けの「一番効率的な復習法」とは?復習はいつするのが一番効率的なのか⑧

 勉強法のカテゴリーへ

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ