エビングハウスの忘却曲線から導き出された復習のベストタイミングとは?復習はいつするのが一番効率的なのか⑦

前回までは、エビングハウスの記憶実験から導き出された記憶に関する法則について見てきましたが、

それでは、それらの記憶に関する法則を踏まえると、いつ復習するのが一番効率的ということになるのでしょうか?

できるだけ少ない回数でできるだけ長く記憶していられるようにするためには、いつ、復習をすればいいのでしょうか?

今回は、エビングハウスが実証した記憶に関する法則に基づく、ベストな復習のタイミングについて考えてみたいと思います。

エビングハウスの記憶実験で分かった復習のベストなタイミングとは?

何度も確認してきたように、「エビングハウスの忘却曲線」は、決して「忘却率」を表したものではなく「節約率」を表したものです。

そして、この「エビングハウスの忘却曲線」からは次のような法則が導き出されました。

第一に、学習を終えた直後から急激なスピードで節約率が減少する、ということ。

学習終了後20分で58.2%、1時間後には44.2%、9時間後には35.8%にまで減少してしまいます。

その後、1日後には33.7%、2日後には27.8%、6日後で25.4%、31日後には21.1%と、減少する割合がだんだん横ばいになってきます。

第二に、再学習を1日ごとに繰り返すと、節約率が減少する割合は少なくなっていく、ということ。いわゆる「分散効果」のことですね。

このことは、復習をすればするほど忘れ難くなる、復習を繰り返すと覚えている量が多くなる、という、私たちが経験的に知っていることと一致します。

さて、この二つの法則から、復習するベストなタイミングをどのようにして導き出せばいいのでしょうか?

まず、第一の法則は、学習終了後9時間後までは急速に節約率が減少するが、その後の減少は緩やかになっていく、ということですから、

節約率の大きいうち、すなわち9時間以内に最初の復習をするほうが効率的である、ということになるでしょう。

次に、第二の法則は、一度復習をすればその後の節約率の減少する割合は緩やかになっていく、ということですから、次の復習は9時間後よりももっと時間が経ってからでよい、ということになるでしょう。

そして三回目の復習は、二回目の復習時よりもさらに時間が経ってからでよい、ということになりますね。

以上のことを考え合わせると、次のような復習方法が一番効率的な復習の方法」として導き出されることになります。

まず一回目の復習は、学習を終えた直後におこなう。

二回目の復習は、その日の全部の学習を終えた後、他の科目と一緒に、寝る前におこなう。

三回目の復習は、次の日、当日学習した内容を復習する時と一緒に、寝る前におこなう。

そして四回目の復習は、週末の土曜か日曜日に、その週に学習した内容をまとめて復習する時に、一緒におこなう。

以上が、「エビングハウスの忘却曲線」から導き出される一番効率的な復習の方法」ということになるのですが、いかがでしょうか?

エビングハウスとは別の記憶研究に基づいた「一般的お勧め」の復習方法とは?

参考までに、エビングハウスとは別の記憶研究に基づいた、「一般的お勧め」の復習方法を紹介しておきましょう。

以下は、カナダウォータールー大学の研究結果です。

もし講義を受けた後、復習をしなかったとしたら、24時間後には学んだことの50%80%を忘れてしまっているでしょう。

さらに忘却は進んでいき、30日後には約2%3%しか記憶は残っていないでしょう。

忘却を防ぐためには、まず、24時間以内に復習をすること。復習は1つの講義につき10を費やすと記憶は再び100%に戻ります。

次に復習するのは 1週間後で、その復習には5を費やせばいいでしょう。それで記憶は再び100%に戻るでしょう。

そして30日後に復習する時は2~4を費やせばいいだけでしょう。それで記憶は再び100%に戻ります。

以上が、カナダのウォータールー大学の研究結果ですが、この結果を踏まえて大学は、

平日30週末には1.5時間から2時間、の復習をすればOKです。

という、復習の「一般的お勧め」コースを、大学のウェブサイトに載せています。

ちなみに、ウォータールー大学の1つの講義というのは、現在は3時間が1セットになっていて、1コマ1時間30の授業が週2回の場合と、1コマ3時間の授業が週1回の場合があるそうです。

忘却が進みすぎないうちに覚え直しをするのが一番効率的な復習のやり方です!

人間の脳は、学んだ内容を、覚えた直後から急速に忘れ始めます。つまり、覚えた次の瞬間から「忘却」が始まるのです。

したがって、学んだ内容をいつまでも覚えておくようにするためには、学んだ内容のほとんどを忘却してしまう前に、思い出すという作業、すなわち「復習」をすることが必要になってきます。

学んだ内容をほとんど忘れてしまってから復習するのでは、一から覚え直しをするのとさして変わらなくなり、最初に学んだ時とほぼ同じ時間がかかってしまうことになります。

では、復習を効率的に行なうためには、どのタイミングで復習すればいいのでしょうか?

その答えを求めて、前回までエビングハウスの忘却曲線」についていろいろな角度から検討を加えてきましが、

その結果、導き出された一番効率的な復習の方法」が、

一回目の復習を学習終了直後におこなう。

二回目の復習をその日の寝る前におこなう。

三回目の復習を次の日の寝る前におこなう。

四回目の復習を週末の土曜か日曜日におこなう。

という復習方法です。

学習終了直後におこなう一回目の復習は、学習したことの確認をするだけですので35程度で終わるでしょう。

その日の寝る前におこなう二回目の復習は、510で終わるでしょう。

次の日の寝る前におこなう三回目の復習は、48で終わるでしょう。

週末の土曜か日曜日におこなう四回目の復習は、35で終わるでしょう。

この復習方法を、自分の勉強のやり方にうまく組み込んで、学習効率をアップし、成績の向上につなげていきましょう。

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【エビングハウス10講】

① エビングハウスの忘却曲線の解説のほとんどは間違っているって本当?

② エビングハウスは記憶実験で節約率をどうやって計算したんだろう?

③ エビングハウスの記憶実験は具体的にどのようにおこなわれたのか?

④ エビングハウスはどうして無意味な音節を記憶実験の材料として使ったのだろう?

⑤ エビングハウスはどうして自分自身を記憶実験の被験者にしたんだろう?

⑥ エビングハウスの記憶実験から導き出された記憶に関する法則とは?

⑦ エビングハウスの忘却曲線から導き出された復習のベストタイミングとは?(今回の記事)

⑧ エビングハウスの記憶実験から導き出された受験生向けの「一番効率的な復習法」とは?

⑨ エビングハウスの「節約率」で説明できる「一番効率的な復習法」!

⑩ エビングハウスの記憶実験と海馬と偏桃体が織りなす記憶のメカニズム!

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次回記事数学の例題はなぜこう解くのか?その理由を理解することが大事です!勉強法①

前回記事: エビングハウスの記憶実験から導き出された記憶に関する法則とは?復習はいつするのが一番効率的なのか⑥

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